PROJECT STORY 01

神戸市スマートシティプロジェクト

  • #Smart Town
  • #DX
  • #共創
  • #自治体

市民中心で取り組む
魅力あるまちづくり

PROJECT OUTLINE

データ基盤の構築からサービス推進まで
多岐にわたるサポートを実施

ICTやデータ、デジタル技術を活用して都市や地区が抱えるさまざまな課題を解決し、QOL(Quality of Life=生活の質)向上をめざす「スマートシティ」の取り組みが全国で加速している。西日本有数の政令指定都市・神戸市においても2020年度からスマートシティへの協議が始まり、実現に向けた試みが現在進められている。この取り組みを推進するパートナー企業に選定され、ビジョンの策定や要件定義を行うスタート段階からサポートしているのがNTT西日本だ。様々なサービス間での横断的なデータ活用を可能とするデータ連携基盤の構築から、市民生活の利便性向上をめざしたサービスの企画・推進、またスマートシティを産官学で推進するための体制整備など多岐にわたる。これまでNTT西日本は、西日本エリア各地でスマートシティに関連する取組を推進してきたが、その中においてもひと際の規模感と先駆性を有する重要なプロジェクトである。

プロジェクトはスマートシティの
ベースを確立させる重要な局面へ

現在、神戸市スマートシティプロジェクトは、推進に向けた基礎固めを行うフェーズであり、市民サービスのPoC(Proof of Concept=概念実証)や市民ポータルサイトの構築、データ連携基盤の構築、地域の産官学がスマートシティ推進に向けて共創するコンソーシアムの設立準備などが進んでいる真っ最中だ。将来的には神戸市民とコンソーシアムが中心となり、多彩なデジタルサービスの拡充と市民参加率の向上を具体化していくフェーズを経て、スマートシティとしての神戸市モデルの確立・展開をめざしている。実現に不可欠なポイントは、市民接点・行政業務のデジタル化、データを適切に利活用できる人材の確保・育成、街をスマート化していく仕掛けづくりである。そのいずれの面にも、NTT西日本が有する地域密着型の組織体制、先進的かつ豊富なデータ技術とノウハウに大きな期待が寄せられている。神戸市が世間に広く知られるスマートシティに変貌する日まで、NTT西日本は共に走り続ける覚悟だ。

INTERVIEW

M. AISAKA

2015年入社
工学部卒

市民目線を軸にサービスの実証実験、
ポータルサイトの企画を推進

企業や自治体などのお客さまのDXと、そのための共創活動を支援するNTT西日本のDX推進拠点「LINKSPARK」の運営と案件対応が私の担当業務です。この拠点で培ったDX案件に関する推進力や、ユーザー中心でアイデアを生み出すデザイン思考力を武器に、本プロジェクトが動き出した2020年からメンバーとして参画しています。複数の業務が同時並行する中で私が主導したのは、スマートシティにおける市民サービスの企画・実証と市民ポータルサイトのコンテンツ企画。どちらもスマート化によってどのような市民にとってのメリットを生み出し、そのためにどういったUIUXを提供していくべきかゼロベースからのスタートでした。実現に向けた重要なヒントになると考えたのが、市民の目線です。私は神戸市の各担当課へ行政サービスの課題についてヒアリングを重ねる一方、サービスの利用者になる市民の意見を集め、検証していく活動を開始。自治体サービスに関するインターネットモニターへのアンケート調査や市内現地でのインタビューリサーチ、市民のペインポイント(悩み)やニーズをつかむためのデザインシンキングのワークショップの開催などを行い、得たデータを分析しながら市民にとって価値あるサービスとポータルサイトコンテンツを探っていきました。神戸市灘区の水道筋商店街エリアにて地元の学生やNPO法人と連携し、地域通貨の実証実験を約3か月間実施しましたが、実際に商店街エリアで利用できる「すいすいコイン」という期間限定の電子通貨を加盟店・市民に利用いただくことで、地域が抱える課題感やサービスの在り方をリアルに検証することができ、ICTを活用した地域活性化に向けた一つの新しい道筋が見えた思いでした。

地域に根差したパートナーとの共創が
スマートシティ実現の鍵になる

本プロジェクトへの参画から1年あまりが経過した現在、私が携わった市民ポータルサイトが最初の神戸市スマートシティサービスとしてまもなくリリースされる予定です。このサイトが従来の自治体サイトと一線を画する点は、市民それぞれにパーソナライズされた情報・サービスの提供が可能になるということ。市民はポータルサイトを通して、居住エリアや年齢、趣味嗜好など個々人の属性にマッチしたデジタルサービスを手軽に入手できるようになります。これまで行政情報やサービスを調べる際には、情報が膨大なため自分に合うものを取得しづらかったと思いますが、レコメンド技術によって、自分に適した情報にアクセスしやすくなります。

ここまでを振り返って思うのは、スマートシティという大きな目標を実現するには自治体とNTT西日本の連携だけでなく、地域の企業や団体、教育機関とのパートナーシップが欠かせないということです。スマートシティ化はとかくシステムやデータをどう活用するべきかの議論になりがちですが、それも大切である一方、サービスのアイデアや難題打破のヒントは市民との会話やふれあいの中にあります。普段から市民との接点を多く持つ地域に根差すパートナーとの共創こそがより有益なサービスにつながることを実感しました。

NTT西日本が推進するスマートシティはこれまで以上に広がっており、私がこれから携わる地域はさらに増えるように思います。どんな場所に臨んでも今回のプロジェクトで学んだユーザー思考での物事の考え方やパートナーとの密な連携を徹底して、それぞれの地域で真に価値あるサービスの創出に取り組んでいくつもりです。