家デジ特集|通信とエネルギーの融合により、「エネルギーの民主化」をリードせよ。~NTTスマイルエナジーの挑戦 ~

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省エネや環境保護意識の高まりとともに世界中でささやかれ始めた次世代電力網構想「スマートグリッド」。
そこに、通信事業者としての新たな使命を見いだしたNTT西日本は
家デジの中核ビジネスをにらむビジョンのもとで、新会社NTTスマイルエナジーを設立。
今、「通信とエネルギーの融合」というかつてない大規模な新ミッションへ向けた挑戦が始まった。
猪原 祥博猪原 祥博|1996年入社 経済学部卒 NTTスマイルエナジー 営業サービス開発部
辻本 格辻本 格|1997年入社 商経学部卒 NTTスマイルエナジー 営業サービス開発部
山田 裕也山田 裕也|1998年入社 経済学部卒 NTTスマイルエナジー 事業企画部 兼 営業サービス開発部
平山 真吾平山 真吾|2004年入社 工学府 知能機械システム専攻卒 NTTスマイルエナジー 事業企画部 兼 技術システム開発部
海藤 暁彦海藤 暁彦|1996年入社 経営学部卒 NTTスマイルエナジー 技術システム開発部
 

日本版スマートグリッドを推進する家デジの中核ビジネスとしての可能性。

猪原 祥博

大阪・北浜。窓からは大川と緑豊かな中之島を望む気持ちのいいロケーション。そこに、NTTスマイルエナジーのオフィスはある。廃材やリサイクル品を使ったおしゃれな内装。壁を飾るポラロイド写真には、メンバーと来訪者たちの笑顔があふれる。そんな開放感あふれる雰囲気を持つこの会社は、NTT西日本とオムロン社(※注1)の合弁会社として2011年6月1日に誕生した。NTT西日本の持つネットワーク技術と、オムロン社の高度なセンシング・制御技術といった両社のノウハウや強みを活かし、通信と制御を連携させることで、省エネ支援や再生可能エネルギーの利用促進に向けたサービスの提供をめざす新会社だ。

背景にあるのは、アメリカに端を発するスマートグリッドという考え方。電力の供給側と需要側との間で、ネットワークを通じ電力の流れを相互に制御することにより、効率的な電力供給を実現しようという次世代電力ネットワーク構想だ。近年では、一般家庭におけるエコ意識の高まりとともに太陽光パネルや燃料電池が急速に普及するなど、消費地における自家発電が進んでおり、今後はその効率利用が課題となってくる。そこに、通信事業者としての使命とビジネスチャンスの両方を見いだしたNTT西日本では、通信の力を用いて、それぞれの場所で生み出されたエネルギーを効率的に利用するための仕組みをつくることにより、日本版スマートグリッドを推進していこうと考えたのだ。そしてそれは同時に、NTT西日本の成長戦略の一つである「家デジ」(※注2)を力強く推進する、中核ビジネスにもなり得ると見込んでの挑戦でもあった。

※注1)一般には健康器具で知られる、システム機器、制御機器、電子部品を中心とする大手メーカー。
※注2)「家まるごとデジタル化」の略。

社員数人の間で始まった草の根的な検討が協業先を巻き込んでの大プロジェクトに発展。

平山 真吾

そうした大いなるテーマのもとで設立されたNTTスマイルエナジーだが、もともとは新ビジネスを模索する社員数人の間で草の根的に検討が始まったものだった。発端は、今から約3年前にあたる2009年の冬。当時、サービスクリエーション部の新ビジネス部門(※注3)に籍を置いていた猪原のところへ、ある先輩からメールが送られてきたのが始まりだ。

「メールでは『スマートグリッド』というキーワードが挙げられており、注視を促す内容でした。当時私は、まだ耳にしたことのない言葉で、新聞にも取り上げられていませんでした。ところが、それからいろいろと調べていくうちに、これは新ビジネスの大きな種になりうるのではないかと思うようになり、本格的にその市場性を調査し始めたのです。とはいえ、電気は私たちにとって畑違いの分野。これまでの経験が活かされない領域だったため、関連書籍の精読やセミナーへの出席、業界関係者からのヒアリングなど、知識の積み上げに苦労しました」(猪原)

当時の検討メンバーはといえば、メールの先輩と猪原のわずか2人。具体的な新ビジネス構想としてかたちにしていくには、リソースが圧倒的に不足していたため、猪原は部門内に働きかけてエネルギー分野を新ビジネス検討の「重点分野」の一つに押し上げた。結果、一つのチームとして立ち上がり、3人目の検討メンバーとして平山が加わることとなった。

そうして始動した検討チームがまず取りかかったのがグランドデザインの作成だった。抽象的なキーワードである「スマートグリッド」という分野に、NTT西日本がどのように参入していくのか、そのプロセスを可視化しようと試みたのだ。

「エネルギーの相互融通ビジネスまで視野に入れた、効率利用の促進という事業テーマはこの時点ですでにあり、その入り口として、まずは法人を対象に、エネルギーの情報をしっかりグリップするための『消費電力の見える化』ビジネスからスタートしようという構想でした」(平山)

この構想の中で、猪原らが協業先として名前を挙げていたのがオムロン社だった。オムロン社は、太陽光パネル関連機器の製造において高い技術を有していたほか、環境・省エネコンサルティングに係るビジネスも展開しており、NTT西日本にとっては得るものが大きいと判断した。またオムロン社は当時すでに、「消費電力見える化」サービスを法人向けに提供しており、それをフレッツ光用に転換することで容易に新規参入できる点も大きかった。

めざすべき事業テーマとプロセスを示したグランドデザイン、そしてその足がかりとなる初期ビジネスの具体的構想を手に、経営幹部にプレゼンテーションした猪原らは、2010年1月、ついに正式にプロジェクトを発足させた。メンバーは9人に増え、予算もついた。ここから、プロジェクトは一気に加速していくことになる。

翌2月にはオムロン社と秘密保持契約を結び、後の2010年8月にリリースされる法人向け「消費電力の見える化」サービスの準備を着々と進める一方で、メンバーはすでに「次」に目を向けていた。一般家庭を対象としたマス向けのサービスである。その点ではオムロン社も共通した思いを持っていたため、両社のメンバーは2週間に一度のペースで集まっては検討を重ねるようになった。

「ただしその頃はまだ、『オムロン社のセンサー×NTT西日本のネットワーク』というかなり幅広いテーマで検討していたので、正直なかなか話が前に進んでいない印象でした。そこで、議論を一気に前に進めるべく、2010年4月、オムロン社のメンバーと合同で検討合宿を開くことにしたのです」(猪原)

※注3)100人規模で、NTT西日本の次代を担う新ビジネスを創造する部門。

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