
オフィス営業では、町の個人商店からSOHO、各種施設、さらに全国に支店を持つ企業にいたるまで、規模も業種も多岐にわたる幅広いお客さまを対象に営業活動を展開している。取り扱う商材もまた、フレッツ光をはじめ、光IP電話、ビジネスフォンやオフィス複合機などの情報機器、あるいはメンテナンスに係る保守契約やシステム構築など、さまざまだ。こうした幅広いお客さまそれぞれのニーズを把握し、個々の状況に応じたコンサルティングを行いながら、必要な商材を組み合わせてソリューションを提供するのが、宮本の所属するオフィス営業のミッションである。
「電機メーカーや他通信事業者、システム会社など、個々の分野に競合相手がいるなかで、私たちNTT西日本が強みとしているのはトータルサポート。通信回線はA社、情報機器はB社、システムはC社といったようにそれぞれ別の会社に発注していると、いざトラブルが生じた時に、どこの会社に連絡すべきかわからないケースが多々あります。そうなると復旧の遅れにもつながりやすい。その一方で、NTT西日本へまとめて発注いただければ、通信回線から機器に至るまで、情報通信まわりのトラブルについては、すべてNTT西日本にワンストップでお任せいただけます。また、事業所規模の拡大に伴う機器の拡充やシステムの更改なども同様に、情報通信に係る事情をすべて把握したうえでトータルにご対応させていただけるため、お客さまにとって大きなメリットがあります」
こうした強みを武器に営業活動を行う宮本だが、この強みだけで売り上げが上がるほど甘くはない。オフィス営業は、新規の顧客開拓も重要なミッションのひとつ。そのため、飛び込み営業も多い。自らの才覚により、自分を信頼いただけるお客さまをつくっていく姿勢が求められるのだ。そうしたなか、宮本が重視しているのが「まず聴く」ことと「とにかく動く」こと。
「お客さまを訪問すると『何しに来た、帰れ!』と門前払いされることもしばしば。しかし、一方的なモノ売りではなく、お客さまの悩みを解決するためのご提案活動とご理解いただければ、先方の態度も変わります。だから、まずはお客さまの悩みを聴くことから私の営業は始まるのです」
フットワークの軽さも宮本が得意とし、かつ心がけているところだ。オフィス営業では、工事業者や保守業者、あるいは社内の技術スタッフなど、さまざまな企業や他部門との連携が欠かせない。営業担当はその司令塔的な役割を担うが、宮本はとにかく自ら動きながら周囲を巻き込み、引っ張っていくタイプ。新たにご契約いただいたお客さまの通信工事には必ず立ち会い、お客さまと工事業者の間に入って工事がスムーズに進むよう取りはからう。保守業者のもとへお客さまから故障連絡が入った際は、自分も一緒に現場へ駆けつけて一刻も早く復旧するよう尽力する。こうした姿勢が支持され、現在2年目とは思えないほどに周囲の信頼は厚い。

そんな宮本の営業スタイルが大きく結実した例がある。お客さまは、拠点を複数持つ大規模な福祉施設。最初は門前払いだったが、「悩みを聴かせてください」とあきらめずに足繁く通ううちに、今抱えている課題を打ち明けてくださるようになった。
「聴くと、電話機が老朽化してご不便にされており、メンテナンスの契約期間も切れているため故障対応に苦慮されているとのことでした。これはお役に立てる部分が大きいと判断し、すぐに電話機の切り替えを中心としたご提案でアプローチを開始しました」
宮本の動きは速く、また徹底していた。まずは当座の、電話機の故障対応。他社の製品であるにもかかわらず、「とにかく直してほしい」と技術スタッフに頼み込んで応急処置をしてもらった。それでお客さまからの信頼を得ると、次は具体的な提案に向けて現地調査をスタート。ところがここで、大きな壁に当たった。建物の構造上の問題で配線が難しいことに加え、火災報知器と電話回線が連動している関係で、新しい電話機の導入は技術的に極めて困難であることが判明したのだ。技術スタッフも二の足を踏んでいる様子だった。しかし、それであきらめるわけにはいかない。「それなら自分が動きます!」と宮本は自ら消防署に赴き、事情を説明して、問題を解消するためのアドバイスを求めたり、設備部門に技術情報を照会したりと、営業担当の領域を超えて奔走した。そうして集めた資料を手に、「自分はここまで動きました。でもこれで精一杯。だから助けてください!」と技術スタッフに掛け合った。
「私の熱意に応えるかたちで最終的に快諾してくれた技術スタッフや工事業者の人たちと一緒に懸命に取り組んだ結果、当初は難しいと思われた壁も何とか乗り越えることができ、導入工事も無事完了させることができました」
新しく導入した電話機は、ボタン一つで通話内容を録音できたり、館内放送のスピーカーとして使用できたりと、かゆいところに手が届く機能を付加していたが、これが大好評だった。いずれも、お客さまのご担当者ではなく、実際に電話機をご利用いただく先方の従業員の方々との何気ない世間話から拾ったニーズに、宮本が応えたものだった。
「お客さまの10の期待に対し、11で応える。それをいつも心がけています。もちろん、私一人の力だけでは実現できないので、技術スタッフをはじめとする社内外のさまざまな人たちを巻き込み、その協力を得られるよう自分でも精一杯動く。そうしたスタッフ全員の力を“チーム・オフィス営業”としてまとめ上げ、お客さまに対するよりよいソリューションに結実させるのが、オフィス営業という仕事なのだと思います」
そうしたソリューションの一つひとつが、お客さま企業のさらなる発展を生み、ひいては山口エリアの地域経済活性化へとつながっていく。自分の営業成果を、山口の発展に活かしたい──。その思いが宮本を駆り立て、さらに良いご提案、さらに高いチーム力の追求へと向かわせる。
そんなチームの司令塔を務める宮本らしく、これからのキャリアビジョンを問うと、具体的な業務内容を挙げるのではなく、「あいつのためなら動いてやろう、と周囲をやる気にさせる人間になりたい」と人物像を表す答えが返ってきた。まだスタートを切ったばかりの駆け出し社会人ながら、その言葉には、早くもリーダーを務める者の風格を漂わせている。




