
NTT西日本は、フレッツ光のさまざまな販売チャネルを持っていますが、そのなかでも全体の大きなシェアを占めているのが代理店チャネルであり、家電量販店は重要チャネルに位置づけられています。私はその家電量販店担当として、大手家電量販店の本社との販売施策交渉などを通じて、フレッツ光の販売数実績を向上させる役割を担っています。
私の業務においてベースとなるのが、販売進捗管理です。フレッツ光およびその関連商品の販売目標に対する達成度を、担当企業全体~エリア別~店舗別とそれぞれチェックし、そこで見えてきた不振エリア・店舗における苦戦要因を分析します。すると、パソコンなどのネットワーク関連商品自体の売れ行きがかんばしくなかった、あるいはライバル通信会社が強力な集客イベントを実施していたなど、さまざまな要因が浮かび上がってきます。
そこで次に、そうした要因もふまえての販売拡大施策をご提案します。施策の中心になるのは、キャンペーン展開。パソコンやテレビなど、ネットワークと親和性の高い商品をご購入の際、フレッツ光に同時加入で「○万円割引」や「○○をプレゼント」といった特典をつけるキャンペーンに加え、フレッツ販売強化キャンペーンなどがあります。実施に向け、時期や対象店、条件面などについて代理店側と交渉します。キャンペーンは内容によって、全社展開するもの、エリア限定で行うもの、また店舗で個別に実施するものとさまざま。それぞれの市場動向と販売進捗をにらみながら、最終的な販売目標達成を目指して、全社視野で戦略的に施策のマネジメントをしていきます。
そしてさらに、もう一つ重要な取り組みが、新市場創出に向けた提携戦略と、それに伴う新しいビジネスモデルの構築です。たとえば、「テレビ+フレッツ光」。かつてはテレビにフレッツ光をつなぐなど考えられませんでしたが、今ではあたりまえのこととして根づいています。それはライバル会社に先駆け、NTT西日本が早い段階で家電メーカーと提携してフレッツ光とのセット販売を仕掛けたからです。もちろん、テレビに限ったことではなく、フレッツ光は家電量販店の多くの商材とつなぐことができるため、それだけ提携戦略の可能性は広がります。たとえば昨今人気のスマートフォンも、Wi-Fiを通してフレッツ光につなげられることから、現在、セット販売の施策を企画中です。こう して、パソコンメーカーや家電メーカーをはじめとするさまざまな他業界の会社とフレキシブルに提携して新しいビジネスモデルを構築できるところが、代理店営業のやりがいだと思います。

2011年7月24日、東北地方を除き国内のテレビは地上デジタル放送へ完全移行しましたが、このタイミングにある家電量販店で仕掛けた販売拡大施策が大成功をおさめました。
地デジ化の直前、6月下旬~7月下旬はデジタルテレビの駆け込み需要時期で、多くのお客さまが家電量販店を訪れることは容易に想像できました。そのお客さまをどうやってフレッツ光ユーザーに取り込むか? もちろんライバル会社も、絶好の機会とばかりに攻勢をかけてくるのは明らかです。スタッフを大量投入してパワープレーを展開するだけでは不十分でした。そこで私が考えたのが、担当家電量販店の各店舗にそれぞれ目標を設定し、コンテスト形式で競わせるという施策。「目標達成度が最も高かった店舗には、御社の幹部から表彰することにしましょう」と、家電量販店の経営幹部にプレゼンテーションしました。
この施策の陰には、一つのねらいがありました。家電量販店の店舗には、フレッツ光の販売数が多い店舗もあれば、低い店舗もあります。この地デジ化商戦を機に、フレッツ光の販売シェアが低い店舗を、フレッツ光を積極的に販売してもらえる店舗に転化しようと考えたのです。
施策の結果は上々でした。フレッツ光の販売数は前年比約130%を記録。しかも、私のねらい通り、それまでライバル会社を推していた店舗が、コンテスト期間終了後も、引き続きフレッツ光を積極的に販売してくれるようになったのです。中には前年比300%以上の販売数をたたき出した店もあるなど、この施策は大成功に終わりました。家電量販店はテレビの売上とフレッツ光の売上を、NTT西日本はフレッツ光の継続的な販売数増を得ることができ、双方に大きなメリットをもたらしたWin-Win施策だったといえます。
この仕事は、売れる仕組みをいかに作っていくかが勝負。そのキーになるのが「予測とシナリオ」です。家電トレンドの動きは実に速いです。マーケットやライバル会社がこの先どう動くのかを先読みし、その予測に基づいたシナリオを自分なりに組み立てて、他に先んじて手を打っていきます。スピード感あふれる仕事です。もちろん競合は激しいです。しかし、その厳しさのなかで家電量販店と一緒になって施策を実現し、成果を上げることによって「荒のことを信用しているので任せるよ」と言っていただける関係を築けたときは、営業冥利に尽きます。
代理店営業は、法人営業に比べると、一件一件の案件規模は小さいながら、最も多くの販売量を誇るチャネルであることから影響力の大きさは随一です。その影響力の大きさを活かして、エンドユーザーに対し、ネットワークにつながる楽しさ、おもしろさ、豊かさをどこまでも広げていく。そんな夢を描ける仕事です。





