CROSSTALK - 05

幹部の本音編

変わらぬ想いを、未来につなぐ

PROFILE

Hidenori Kigami

NTT西日本 取締役
経営企画部長
1989年入社

Takafumi Sakaguchi

NTT西日本 取締役
設備本部 サービスマネジメント部長
NTTフィールドテクノ 代表取締役社長
1987年入社

Toshimasa Inokura

NTT西日本 ビジネスデザイン部長
1992年入社

役職・取材内容については、2019年12月27日取材当時のものです

#01

世の中にまだないものを生み出す。

坂口: 1999年に持株体制となり、NTT西日本が設立されました。我々はそれ以前に入社したメンバーなので会社の変遷とともにキャリアを積んできたといえます。

木上: 私がNTT西日本に入社し、これまでの約30年を振り返れば、大きな技術革新の連続でした。世の中には通信のフラッグカンパニーとして認知されていますが、通信サービスにとどまることなく、市場に求められる新しいサービスを創り、地域の皆さまに届けようと責任感を持ちながら取り組んできました。事業は多様でエリアも広域。2002年に開始した電子書籍事業は海外でもご愛顧いただくなど、NTT西日本グループは一言では表現できないバリエーションの事業があります。

猪倉: 私はキャリアの大半をサービス開発に携わってきました。新サービス開発の中では、さまざまなチャレンジがあります。特に新しい技術を使ったサービスは、必ずしもすべてが最初からうまくいくわけではありません。それでも、お客さまや社会からいただいている高品質なサービスに対する期待を糧に、日々新たな技術開発に挑み、先へ先へと進んできました。新しい技術をサービスにして広く世の中にその価値を届けることは、私たちNTTの使命です。私にとってのモチベーションの源泉は、そのような社会インフラを提供する企業としての責任の大きさだったのだと思います。

坂口: NTT西日本は通信ネットワークサービスが基本。品質の高いものを安定して提供しなければならないのは当然で、サービスを使ってくださるお客様がいるからこそ、通信は成長していきます。市場環境の早い変化の中で、現状のサービスを安定的に供給するだけではなく、新しいものを生み出すために、市場の変化と共に挑戦を続けてきたように思います。

#02

NTT西日本の可能性。

木上: 私は主に財務や企画系業務でキャリアアップをしつつも、さまざまな業務を幅広く経験してきました。その中でも、入社4年目に外資系コンサルティング会社へ出向した経験は大きなターニングポイントとなったといえます。そこでは「物事を世の中基準で捉え、CanベースではなくMustベースで考える姿勢」。つまり、できるかできないかではなく、お客さまのために何をすべきかという考えをもとに、自社や自身にとってのリミットを設けずに悩みきることが重要な価値観だと学びました。当時、目の前の課題に精一杯だった私にとってカルチャーショックに近い衝撃を与えてくれました。

猪倉: 私も若い頃に2年間アメリカに留学し、さまざまな国の優秀な人たちから刺激を受けましたが、外からの目線でNTTを見つめる機会を得たことで、自社の強みを考えさせられたことに大きな意味がありました。NTT西日本の強みは、スケールが大きく高品質なサービスを展開できることと、一人ひとりがそのために必要なさまざまなスキルを身に付けられる環境があるということ。それは今でも変わりませんし、その領域はさらに広がってきていると思います。社外の人たちと交流する機会は重要です。今もベンチャー企業との協業等、そういう機会はたくさんあり、私たち自身の強みや磨くべきことについて多くの気づきが得られています。

坂口: NTT西日本はスケールの大きな事業を行っていると同時に、地域の方々との深い関わり合いも大切にしてきた会社です。私のキャリアの多くは設備分野での業務でしたが、新任課長として静岡県の法人ソリューションビジネスの部署に配属となった際、商品力よりも会社や営業担当者の信頼がビジネス成功の大きなウェイトを占めていることを実感しました。商材提案だけでなく、普段からお客様とコミュニケーションを取り、信頼できるパートナー関係を築いて初めてビジネスにつながります。技術者として設備への誇りとともに、人と人の関わりがあってはじめて価値を見出すのだと気付いたこの経験が、今の私につながっています。

木上: キャリアを積むときに、「何をめざすか」を絞り込んで選択するのも一つかもしれませんが、「あれかこれか(OR)」と限定して選ぶのではなく、「あれもこれも(AND)」と自身の可能性を広げるように行動することが大切です。そして、「何のため(WILL)」か、夢を明確に持つことでぶれない軸ができます。私がこれらを学んだその会社はすでに解散しましたが、そこで働き自ら考えて行動する力を養っていたスタッフの多くは、路頭に迷うことなく次なるステップへと飛躍し、さまざまなステージで今も輝いています。長い時を経てNTT西日本グループにもそうした挑戦を受け入れる環境が整い、さらに拡がっていて、私も含めて多くの社員が理想のキャリアを積むことができています。

#03

心に宿る、「つなぐ」使命感。

坂口: 1985年に民営化されるまで、NTTは実質的に国営事業でした。当時と比べて提供するサービスは変化していますが、世の中のため、人のためにというDNAは今なお根付いています。それが顕著に表れるのは、災害が起きた時です。2010年の奄美豪雨のときは、ベテラン社員が即戦力となり率先して復旧作業にあたりました。その半年後、東日本大震災が発生し、翌日には約30人の社員がフェリーで現地へ向かい通信設備の復旧に従事しました。「この国の通信を守る」「一刻も早く復旧させる」「人のために役立つ」という強い使命感が社員に宿っているのだと改めて実感したことを覚えています。

木上: 私も阪神淡路大震災の時に、同じようなことを感じました。当時、私は兵庫県西宮市に住んでおり、地震発生後、普段は30分で到着する勤務先まで、やっとの思いで半日かけて到着すると、すでに多くの社員が自発的に会社へ来ていました。おそらく社員の自宅も被災しているにも関わらず、通信インフラを回復させるために「まずは途切れた回線をつなごう」と努力する姿はとても誇らしかったです。こういった有事の際に誰かが指示していなくても自然にやるべき行動ができるのは、社員一人ひとりの根底に「電話は人やビジネスをつなぐ大事な血脈(インフラ)だ」というDNAが埋め込まれているからなのでしょう。

猪倉: 一人で取り組めることは限られていますが、トラブルの時や何か大きな課題に直面した時には、NTT西日本グループの中で、会社や部署の垣根を越えて、ともに解決しようと結束します。そういう時は本当に使命感、連帯感を感じますし、多くの同志がいると実感します。そういうグループの力を結集することで、私たちはさまざまな事業に取り組んできました。

坂口: NTT西日本には全国に広がる膨大な通信ネットワーク基盤を持っており、長年培ってきたネットワーク構築のノウハウがあります。歴史に裏付けされた通信ネットワークの構築力は信頼に値すると評価され、G20やラグビーワールドカップの運営を支える役割を担いました。西日本に拠点を置きながらも、東京オリンピックなどの国家イベントに携われるのはNTTグループへの信頼があってこそ。その信頼の背景には、社員一人ひとりの揺るぎない使命感があるのだと感じています。

#04

組織力がキャリアを伸ばす。

木上: 特にこの10年、ものすごい技術革新が起こってきました。この変化を先導すべくNTT西日本グループも激しく変革を遂げるとともに、経営基盤の強化に努めてきました。その原動力の基本は「人材」です。私は財務という自分の専門分野を極めながらもさまざまな役割に挑戦することで、多角的な視点を手に入れることができたと思っています。また、幅広い業務経験は、自分の能力を2倍にも3倍にもしてくれました。多様な業務フィールドは自分自身が想像し目標とするステージ以上へ成長させてくれる環境なのですね。「社会課題を解決する」、「世の中の役に立つ」という他を想う魂と、未来へのチャレンジ精神が、めざすゴールへと導いてくれると感じています。

坂口: そうですね。グループ会社も多く、幅広い業務を経験して視野を広げることができますし、さまざまな現場を経験するごとに仲間が増えていきます。キャリアとは経験を積み上げていくこと。誰もが同じキャリアを歩むのではなく、自分にしかない組織やプロジェクト経験を積み上げていくことでバリエーションの広い、成果の高いものを生みだせる人材になっていくと思います。

猪倉: 最近は、あらゆるモノやサービスが接続され、新たなサービスが生まれる時代になってきました。これからはいろいろな強みや特徴を持った企業の人たちとの関係づくりがますます大切になってくると思っています。私たちには通信ネットワークの巨大な基盤がある。これは大きな強みです。この基盤を活かして、NTT西日本グループのさまざまな組織がいろいろな企業と新しい価値づくりに取り組んでいます。これは、その中で仕事をする一人ひとりにとっても、将来に向けて視野を広げる大きなチャンスになっています。

木上: 私たちがサービス提供する西日本エリアの30府県すべてにいくつもの課題があって、どこも取捨選択できない。そんな地域社会に対して、多様な人材や光ケーブルなどの資産、利益1,000億円を超える強い経営基盤などにより、オールラウンドで貢献できる会社は類を見ないと自負しています。少子化・高齢化などの課題をより多く抱える西日本エリアは新たな形での解決方法の宝箱だと思っていますし、新しい技術により今までにない挑戦ができる檜舞台だともいえます。強固な通信基盤を保有していることは、大きな国家プロジェクトを担う責任も同時に有しています。このような環境の中でキャリアを積める、そんな会社です。

#05

常に「新しい」を求めている。

坂口: 人を育てるのは人。少子化で若者が減っていますが、当社でも、ベテラン社員にとって若い社員は自身のスキルを伝承する貴重な存在となります。一方若手社員もベテラン社員と接することで自発的に挑戦するようになりますし、会社としても若い頃から挑戦できる機会を多く用意しています。若いころに責任ある役割を任せないと失敗も成功もしません。何事も肌で感じることが大切ですし、新しいことに挑戦するチャンスはたくさんあります。自分が楽しみながらやらないと成功はしない。

木上: 社員が自ら成長するための機会を増やそうと、2019年に「ドリームチームプロジェクト」を立ち上げました。世の中の課題解決に対して熱い思いを持つ、現場第一線で活躍している社員が、現在携わっている仕事の延長にはない「やってみたい」を実現しようというプロジェクトです。全社に呼びかけたところ、200名近くの社員が集まり、約半年間、ダブルワークでプロジェクトに関わり、コンテストで選ばれたいくつかの取り組みは実際に新事業としてビジネス化へ向け進行中です。

猪倉: 現代社会において、多様性を受け入れる感覚は大切です。このドリームチームは中堅・若手に加えてベテランもたくさん手を挙げてくれて、周りにも良い刺激となっています。年齢やバックグラウンドに関係なく、多様性を認めるカルチャーや新しいアイデアにチャンスを与える姿勢はNTT西日本設立時から変わらない文化であり、強い魅力です。

坂口: これからは私たちが持つ通信基盤や技術力を社外の企業・自治体と協力をしながら、より豊かな社会を築くために役立てていくことが必要となります。それは結果として当社のビジネスの拡大と地域貢献につながりますし、世の中をシェアリングしていくことで、より良い未来を創っていく先駆者になりたいと思っています。

#06

楽しむ先に成功がある。

木上: 今のNTT西日本グループは、通信で培った強い経営リソースを最大活用し、持続する地域社会のために活動する、言わば「地域ICT商社」。未知なるこれからの時代は、掛け算が大切です。声やデータをつなぐだけでなく、人や事業や社会をつないで、そして世の中の課題を掛け合わせて新たな価値を創りだす。これを早く、より良いものとして提供するため、同じ志を持つさまざまな知恵がある人たちと協働して解決していかなければなりません。そうしなければ、末永く皆に共感されるものはできません。

猪倉: NTT西日本で新しいビジネスをするということは、日本の成長に直結しています。社会にはさまざまな課題があり、私たちにはそれを解決するために活用できる経験とネットワークがあります。地域には無数のビジネスチャンスがあり、自身が成長する機会も多く、その成長は日本の発展につながっています。そして、ビジネスを成功させる、自分を成長させるために何より大切なのは、仕事を楽しむこと。自分が楽しいと思えないと、成功しません。自分自身がワクワクできているか、と常に考えながら仕事に取り組むことで、理想の結果にたどり着けるのだと思っています。

坂口: 地域に貢献したい想いは大切ですが、「自分のやりたいことを、この会社を使って実現させてやる」という気概を持って挑戦してほしい。やる気があれば柔軟に対応できる体制や環境が整っている会社です。既成概念にとらわれず、世の中を変えていく。NTT西日本はそれを実現してきたパイオニアです。今後もより良い社会を創り出すために、私たちは歩み続けます。