PROJECT STORY 04

コミックシーモア新レーベル
「シーモアコミックス」設立プロジェクト

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  • #電子書籍

データ活用による
オリジナルコンテンツで
電子書籍業界に新風を

PROJECT OUTLINE

ヒット作品の創出をめざして
新レーベル「シーモアコミックス」を設立

ICTと情報端末の進化により、私たちは映像・音楽ほか多彩なコンテンツやエンターテインメントサービスを手軽に楽しめるようになった。近年はコロナ禍によって人々の在宅時間が格段に増え、そうしたサービスの広がりは世界中で一気に加速している。NTT西日本は2002年に設立したNTTソルマーレを通じて電子書籍およびゲーム配信事業に進出しており、国内最大級の電子コミック・電子書籍配信サイト「コミックシーモア」を展開中だ。現在「コミックシーモア」が保有する蔵書は100万冊以上、TVドラマ化された「家政夫のナギサさん」に代表されるオリジナルコミックも数多く配信している。NTTソルマーレのオリジナルコミック制作を担う「ソルマーレ編集部」は幅広いジャンルでコミック制作を行っており、制作したオリジナルコミックは1,600タイトルを超える。そのジャンルは女性向けから青年向け、BLコミック、TLコミックなど実に多種多彩。幅広い読者層をターゲットにした作品づくりを創設から10年以上にわたって続けてきた。だが、電子書籍配信サイト間の競争が激化する中、「コミックシーモア」オリジナル作品を制作・配信することの重要度が増すとともに、さらに多くの読者の心をつかむべく2021年、従来と一線を画する作品づくりを行う、新たなレーベルを設立するプロジェクトが立ち上がった。

感覚的でクリエイティブな世界へ
データに基づく仕掛けを導入

「シーモアコミックス」と名付けられた新レーベルがめざしたのは、他社サイトと差異化を図り、ヒットの可能性を追求してゆくオリジナルコミックづくりだ。それに向けてまず、マンガ市場の最新トレンドや購読意欲の高い読者層をにらみ、「コミックシーモア」で蓄積した膨大なデータを分析する活動が開始された。さらに、より効果的な広告宣伝施策や配信タイミングの決定にも各種データを活用。作り手や読み手の感覚に頼るクリエイティブなコンテンツ制作に、データに基づく新しい手法を次々と取り入れ、読者の購買意欲を高める内容を絞り込んでいった。そうして2022年秋、「シーモアコミックス」初のオリジナル3作品をリリース。配信直後から読者の好評価レビューが続々と舞い込むなど、上々のスタートを成し遂げた。この後も「シーモアコミックス」は新作品を順次配信してゆく予定で、コミックシーモアサイト内の購読ランキング上位や他メディアへのコンテンツ拡散を虎視眈々と狙っている。コミックコンテンツの企画制作までに及ぶNTT西日本グループの挑戦は、私たちの暮らしを快適・便利に留まらず、楽しく彩る方向へも向かっているのだ。

INTERVIEW

M. ITOIGAWA

2013年入社
人文学部卒

営業、制作担当、事業部が一体となり、
次なるヒット作品を生み出すプロジェクトが動き出した

入社6年目にNTTソルマーレへ出向になり、今日まで約4年間、「コミックシーモア」オリジナルコミックの販売拡大を担う営業業務に従事しています。それまでNTT西日本で法人向けネットワーク設備などの営業に従事し、趣味のひとつとしてマンガを読んでいた私がこの仕事に関わることになったのはまさに青天の霹靂。日々ヒットしているマンガの傾向や広告アプローチなどを検討するようになりました。オリジナル作品の制作・販売拡大をめざすことは「コミックシーモア」の独自性や売上を伸ばす上で非常に有効です。オリジナルコミックを制作するメンバーだけでなく、「コミックシーモア」のサイト運営担当ともさまざまな意見交換を行い、制作担当へ要望を出したりもしました。しかし、なかなか作品づくりに反映されることなくしばらくの時が経過。例えば営業として「このストーリーなら売れる」と思っても、実際にマンガを執筆する案件として成立しなかったり、本当に読者にウケるかどうかの着眼点が編集者、営業、各メンバーで異なっていたり。それらの課題を解決し、より多くオリジナルコミックをヒットさせるべく、新しいレーベルを設立しようという気運が高まりました。そうして新レーベル「シーモアコミックス」を立ち上げることになり、私はさらにオリジナルコミックを飛躍させるべく、「シーモアコミックス」プロジェクトに取り組みました。

ビッグデータを活用した作品づくり
レーベル初の作品配信に好感触を得る

 「シーモアコミックス」の立ち上げに臨んで私が着手したのは、「コミックシーモア」が持つ読者や購読に関するビッグデータを精査・分析しつつ、企画や編集、広告宣伝、サイト運営など各担当の意見を集約し作品制作を行うことです。プロジェクトメンバーには、コミック制作に関わるメンバーの他、NTTソルマーレから組織の垣根を超え部門間横断でメンバーが参画。「コミックシーモア」の読者から好まれるジャンルやストーリーが明らかになってゆき、その傾向を反映したコンテンツにヒットの可能性を見出しました。その後は、作品リリースに向かってプロジェクトチームのメンバーと一直線に取り組み始めました。プロジェクトを統括する立場として営業側と制作側の間を取り持ち、双方の意向をまとめていくのは困難の連続。初回の配信を迎えるまで、何度も議論を重ねました。また、作品づくりに並行して、作品を「コミックシーモア」で配信するプロモーションの準備も進めました。無料配信キャンペーンの企画、「コミックシーモア」のサイトの配置場所、SNS上での告知、オウンドメディアとのコラボレーション企画など、ありとあらゆるプロモーションにも注力。「シーモアコミックス」プロジェクトに関わる全員が全力を尽くし、作品リリースの日を迎えました。高評価レビューが続々と読者から届き、ランキング上位に制作した作品が掲載されたときはとても嬉しく、私自身これまでの仕事で一番の感動を味わいました。

 今はまだレーベルのリリースから日が浅く、さらに多くの読者の支持を獲得できるかどうかは今後を見守らねばなりません。「シーモアコミックス」作品の続刊や新作の制作に一層の力を入れ、数多くドラマやアニメ、幅広いメディアに展開されるような「コミックシーモア」を代表するコンテンツに育てたいと考えています。将来、私自身が自らトレンドを生み出せるようになれるかも…そんな可能性のある、すごくやりがいのある仕事です。