PROJECT STORY 02

自治体業務サポート

暮らしやすい魅力あふれる街づくりをめざして。
多彩なICTノウハウで市政業務の改革を推進。

大阪第二の政令指定都市・堺市は近年、地域活性化に向けて官民学共同による広範な取り組みを進めている。なかでも力を入れているのが、まち・ひと・しごとをテーマとしたICTを活用した住みやすい街づくり。住民サービスの向上と市政業務の改善に貢献する、NTTビジネスソリューションズの活動を追った。

PROJECT MEMBER

NAKATA SAKI

ビジネス営業部
公共営業部門 公共SI担当
2016年入社/総合情報学部 メディア情報系専攻卒

教員志望で教育実習に臨んだ際、電子教材を使った授業でICT教育の意義と将来性を実感。教員以上に通信の仕事に興味が湧いた自分に気づいた。より地域に密着してICT教育を広げられるのはどの会社か。たどり着いたのがNTTビジネスソリューションズだった。

MORITA TAKENARI

ビジネス営業部
SE部門 第七担当 1グループ
2016年入社/社会学部 教育文化学科卒

学生時代、コールセンターのアルバイトで期間契約件数トップを獲得した経験があり、営業は自分の天職と感じた。馴染みのある通信業界で法人担当ならさらに大きな結果が出せると考え、NTTビジネスソリューションズへの入社を決めた。

PROJECT STORY 02

01

堺市活性化を図る
ICTパートナーとしての活動を開始

2017年1月、堺市とNTT西日本グループの間で「ICTを活用したまちづくりに関する包括連携協定(以下ICT連携協定)」が締結された。シティプロモーションや教育サービス、産業振興ほか堺市の「まち・ひと・しごと」にわたる広範な市政分野でICTを積極活用し、大小の課題を解決しつつ地域活性化を図る創生総合戦略のパートナー企業に選ばれたのである。堺市庁舎内の幾多の政策部門と連携する窓口となったNTTビジネスソリューションズは、営業・SEの総勢15名の専任担当メンバーからなるプロジェクトチームを組織。市政運営における顕在ニーズのICTソリューション、さらに潜在ニーズの掘り起こしから解決策の提案に至る、壮大な堺市サポート活動をスタートさせた。

担当メンバーの一人に抜擢されたのが、入社3年目の森田竹威。森田がまず取り組むことになったのは、市職員の業務効率化と情報セキュリティ強化を目的にした「ペーパーレス会議システム」の構築だ。市政運営におけるさまざまな会議で発生する情報流出のリスクの低減、紙資源の削減、そしてタイムリーな会議運営の実現が求められる中、これらを一挙に解決できるシステムはどのような形や機能が最適なのか――。システムの提案から設計、構築までのリーダー役を任された森田は、お客さまの働き方改革にもつながる重大なミッションに向かって疾走し始めた。

PROJECT STORY 02

02

煩雑な市政業務を刷新した
ペーパーレス会議システム

ペーパーレス会議は、参加者がタブレット端末を用いて必要な会議資料を画面上で閲覧しながら行うのが通常だ。森田が最初に直面した壁は、タブレット端末に慣れていない会議参加者にも使いやすいハードウェアとソフトウェアを確定させることだった。数あるタブレット機器から最適なものを選び、いかに誰もが簡単に操作できるアプリケーションを構築・搭載できるかがSEとしての腕の試されどころだったのである。さらに、両方の使い方をわかりやすく記した操作マニュアルの準備と、お客さま独自の要望によって会議前に資料を一斉配信する機能、並びに会議中に一部資料の同時差し替えができる特別な機能も求められた。

「既存のアプリケーションでは到底お客さまの要望を満たすことができず、ソフトウェアの選定と通信の安定化に最も苦労しました。たくさんの人が参加する大きな会議では限られた空間で大量の無線通信が行われ、ネットワークが混み合うために快適な利用状態に調整するのはなかなか難しいんです。マニュアルづくりも併せて、とにかく使う人の目線で感覚的に操作できる扱いやすい会議システムに仕上げることを一番の目標に、一心不乱に仕事に集中しました」(森田)

森田はソフトウェアベンダーと密に連絡を取り合ってアプリケーションに細かな改修を施したり、プロジェクトメンバーに協力を仰いで数十台のタブレット端末への一斉配信テストを重ねたりなど、四方八方に手を尽くしてシステム構築に全精力を注いだ。なかでもマニュアルづくりでは、考えられるあらゆる会議パターンをお客さまの言葉から抽出。お客さまと何度も打ち合わせをしながら、納得いただけるまで記載レベルの修正を繰り返した。そして着手から約2カ月後、ペーパーレス会議システムはお客さまが理想とした形を整え、無事に運用されるに至った。

「堺市職員さま向けのホームページにペーパーレス会議システムの予約用リンクが掲載されているのを見た瞬間、お客さまの会議環境を“自分が変えたんだ”という実感が湧いてきました。しかも後日、このプロジェクトが市長表彰を受けることになったと耳にしたときは、この上ない達成感を感じました。これからシステムはさらに規模や種類の異なる会議へのカスタマイズ応用のニーズがあり、活用シーンの広がりが見込まれますから、一層頑張らねばと兜の緒を引き締めています」(森田)

PROJECT STORY 02

03

高効果なイベント開催で
児童へのICT教育進展に貢献

同じ頃、森田と同期の中田早紀は、ICT連携協定の1テーマに掲げられた「教育のICT化」に取り組んでいた。与えられたミッションは、一年に一度の市民イベント「堺科学教育フェスタ」で開催される運びとなったプログラミング体験教室を成功させることだ。堺市が児童の科学教育への興味増進と自発的に学びを深める機会提供を狙った重要プロジェクトの推進役が中田に一任された。

「子どもたちに楽しんでもらいつつ、魅力的に映るプログラミング授業にするにはどうすればよいか、仕事はお客さまと二人三脚でアイデアを練っていくことから始まりました。イベント当日は定員制ブースになるため、参加できない子たちへの対応を考えるのも一つの大きな課題でした。さらにNTT西日本グループだけができるような付加価値もつけたかったので、プロジェクトリーダーの私は広範囲にイベントを盛り上げるための企画にかなり熱を入れましたね」(中田)

お客さまの要望と諸条件のもとに数々のアイデア出しと検討を繰り返した末、中田は3つのポイントからなる実施内容をまとめた提案書を提出。一つめは、児童がビジュアル的にわかりやすくゲームづくりが楽しめるプログラミングソフトを使った授業。2つめは、未参加の児童や参加児童の復習のために同じ授業を事前に撮影し、一定期間NTTスマートコネクトの光webスクールで動画配信すること。3つめが、NTT西日本グループの遠隔授業システムを使用した他地域の児童とのイベント交流である。お客さまのニーズに十二分に応えるこの提案は見事に担当職員さまの承認を獲得。中田はすぐさま関係各所との連携・調整を図りながら実現への道のりを一歩一歩、確実に進めていった。やがて、全力を傾注した約半年間の日々の集大成となるイベントその日がやってきた。

「当日は一日三回の授業を行いました。一時的にパソコンの調子が悪くなったり、参加予定していた子どもが時間に遅れたりといった小さなトラブルもありましたが、概ね大成功に終わることができました。子どもたちが目を輝かせながらプログラミングに取り組む姿、また画面の向こうにいる遠方の子どもたちと笑顔で会話する様子を見たときは、安堵感と感動で胸が一杯に。イベント終了後、ずっとタッグを組んできたお客さまから“ありがとう”のひと言をいただいた瞬間は、自分の努力がすべて報われた気分になり最高でした」(中田)

PROJECT STORY 02

04

広い視野でよりよい
市政業務サポートを追求してゆく

森田と中田、それぞれが牽引したプロジェクトは分野も内容もまったく異なるものだったが、成就の秘訣になったいくつかの共通点がうかがえる。それは、各人がキャリアの軽重をものともせず発揮した創意工夫と提案、また、お客さまの課題解決に決してあきらめずに挑み続けた強い気持ちである。二人は今、プロジェクトを通して学んだこと、今後の自らの使命について思いを語る。

「ペーパーレス会議システムは目前の課題で終わらせず、お客さまの潜在ニーズに踏み込んで解決を図ったことが成功できた要因と思っています。ただ、これは私にとってこの後のお客さまとの深い関わりの中での通過点。私がなすべき役割は、この会議システムを含めてお客さまのICT活用と情報セキュリティ強化に広く貢献することと捉えています。並行して無線やセンサー技術を駆使する堺市の農業支援システムにも取り組んでいますので、これから自分がどんな結果を生み出せるか楽しみです」(森田)

「自分に自信がないことは相手に伝わりやすく、また自信を持たなければ協力者を得にくいことを実感したプロジェクトでした。あらゆるプロジェクトは絶対に一人では完遂できないので、自信を持つためにどんな人や場面と相対しても努力を惜しまないことが大切。今回の経験をバネに、次は堺市のすべての小学校にプログラミング教育を展開できるよう力を注ぎたいと考えています。その先は確かな知識とスキル、さらに大きな自信を携えて、ほかの自治体の教育に影響を及ぼしたいですね」(中田)

若さあふれる二人のパワーがNTTビジネスソリューションズの原動力となり、これからも堺市の発展に大いに寄与していくであろうことは想像に難くない。

VOICE

お客さまの声

VOICE #01

堺市 市長公室 企画部 主幹
手取 祐介 様

日本の人口減少と高齢化がピークとなる2040年問題が叫ばれる中、堺市では定住及び交流人口の拡大と地域住民の満足度向上を優先目標とした多方面にわたる行政改革を進めています。誰もが暮らしやすい、魅力あふれる街にするためにさまざまな観点から住民サービスの拡充を図っているわけですが、目標達成までのプロセスで行うべき事項は膨大で、具体的な実現手法が見えない部分もたくさんあります。また住民同士のつながりという、行政が直接触れられない部分を豊かにしてゆくことも視野に置かねばなりません。こうした洪大な課題解決、コミュニケーションの深化にICTが不可欠なのは間違いなく、今後もIoTやAI、SNSなどを駆使した政策を次々と具現化してゆくことが必須と考えています。NTTビジネスソリューションズさんは私たち行政機関にはない最先端の技術とノウハウを有しておられ、このたびのICT連携協定においても広範な提案力と実行力を発揮いただいているので、引き続き大いに期待を寄せています。

VOICE

お客さまの声

VOICE #02

堺市 情報化推進課 システム第一係長
松田 圭司 様

私は今回、堺市側の担当としてペーパーレス会議システムの導入に当たりました。本システムは タッチスクリーンの操作に慣れていない方々の利用も多数想定されたため、NTTビジネスソリューションズさんにはタブレット端末の選定を含めて使いやすさと見やすさに重点を置いていただくようお願いしました。システム構築から運用までの過程においては、当方のニーズにしっかりと耳を傾けてシステムに確実に反映してくれましたし、庁舎の関係各所への説明用にお願いしたさまざまな資料づくりも仕上げてくれた内容が非常にわかりやすく、スムーズに使い始めることができました。結果的に良いシステムに仕上がったと感じています。この後、タブレット端末のモバイルワーク活用を早急に進める必要がありますので、使い方やセキュリティ面などさらに幅広い点でサポートしていただきたいと思っています。

※各社員の所属部署や掲載内容は取材当時のものです。